我々が使っている長さの基準、【メートル】この【メートル】はどのように作られ、いったい何を表しているのか?
このメートルという単位はフランス革命後のフランスで1799年に作られた単位だ。(バスティーユ牢獄襲撃は1789年7月)
大航海時代を経て貿易や交流が盛んになるにつれ、世界共通の単位というものが必要になってきた。
そこで当時のフランスが旗を振り、世界共通の長さの単位を作ることになった。
世界共通であるから、世界中の人が納得できる単位にする必要があり、選ばれたのが【子午線の長さの半分】を基準とすることだった。
【子午線の長さの半分】、すなわち「赤道から北極までの距離」の1000万分の1を「1メートル」と定めたのである。
(※「メートル」は古代ギリシャ語の「測定する」を意味する「メトロン」が語源)
このとき三角測量をして図ることになったが、選ばれたのがフランス北岸の港町ダンケルクとスペインのバルセロナにあるモンジュイックの丘である。
そして、ついに北極と赤道の距離が分かり、その1000万分の1を1メートルと定義したのである。
そうすると、赤道から北極の距離は1000万メートルということになるはずなのであるが、現代の測量技術で測定すると1000万2288メートル。
残念なことに2288メートルも誤差があったのだ。
しかしながら、1メートルの長さは修正されず、メートルの定義の方を修正し対応したのだった。
1983年の第17回国際度量衡総会にて、「1メートルは真空中で光が1/299792458秒に進む距離」と再定義されることとなった。
メートルの長さを世界中で統一する為に作られたのが「メートル原器」である。プラチナ90%とイリジウム10%の合金で作られたこの「メートル原器」は世界中で1メートルの単位として保管されている。
もちろん日本でも中央度量衡器検定所(現・産業技術総合研究所)で大切に保管されている。
受験生へのメッセージ
- メートル 数学の知識
- フランス革命・大航海時代 世界史の知識
- フランスのダンケルク、スペインのバルセロナ 地理の知識
- 1メートルは真空中で光が1/299792458秒に進む距離 物理と数学の知識
- プラチナ90%とイリジウム10%の合金 化学の知識
ひとつの話を読むのにも知らず知らずのうちにいろいろな知識を使っている。君達のしている勉強は決して無駄にはならない。