忘却曲線(ぼうきゃくきょくせん)は、記憶の中でも特に中期記憶(長期記憶)の忘却を表す曲線。ドイツの心理学者「ヘルマン・エビングハウス」によって導かれた。エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, ...etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。エビングハウスの名から、「(ヘルマン・)エビングハウスの忘却曲線」とも呼ばれる。
縦軸は「節約率」を表しています。
(よく記憶の量・記憶保持量と説明されることがありますがちょっと違います。)
では節約率とはなんなのでしょうか。
この一番上のグラフは経過時間ごとの節約率を表している。節約率とは一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間(または回数)をどれくらい節約できたかを表す割合である。式で表すと
(節約率)=(節約された時間または回数)÷(最初に要した時間または回数)
(節約された時間または回数)=(最初に要した時間または回数)-(覚え直すのに要した時間または回数)例えば、最初にritを覚えるまでに10分を要し、20分後に覚え直すと約4分を要したとする。この場合、覚え直すのに最初と比べ、6分節約したことになる。すると節約率は 6(節約された時間)÷10(最初に要した時間)=0.6= 60% となる。
また、最初にpekを覚えるのに40回の書き取りを要し、1時間後に覚え直すのに22回要したとする。この場合、最初に比べ、18回分節約したことになる。すると節約率は 18(節約された回数)÷40(最初に要した回数)=0.45= 45% となる。
(wikipedia)
要するに節約率とは一度覚えたものを再度覚えなおしするために必要な時間・手間をどれだけ節約できたかという値なのです。
節約率が低いということは、覚えなおすために、多くの時間・手間が必要ということであり、すなわち多くのことを忘れていたということになります。
このあたりから縦軸の「節約率」を「記憶の保持量」と誤解する人が増えてきたのでしょう。
とはいえ、人間は覚えたものをすぐに忘れてしまうことに変わりはありません。上の緩やかな曲線にだまされがちですが横軸を分単位で見てみると
各ポイントは
- 0分 節約率100%
- 20分 節約率58%
- 60分 節約率44%
- 1440分(1日) 節約率26%
- 10080分(1週間) 節約率23%
- 40320分(1ヶ月) 節約率21%
あっというまに節約率が下がっていくのがわかります。
暗記してから、1日の間に急激な忘却が起きています。
効率の良い暗記をするためにはこのエビングハウスの忘却曲線から脱却しなくてはなりません。
受験勉強における暗記においては
この忘却曲線をいかに緩やかなものとするかがポイントになります。
なんの脈略もない無意味なものを覚えてもすぐに忘れてしまうのであれば、できるだけ体系的に相互に関連を持たせて暗記していけばよいのです。
では具体的にどのようにして暗記していけばよいのだろうか。
お勧めの暗記法を掲載しておきます。
●五感を活用して暗記する。
声を出しながら暗記する。
歩きながら暗記する。
自分の声を録音したもので暗記する。
図面や絵にしたもので暗記する
●相互に関連させて暗記する(覚えることをどんどん連鎖させていきましょう)
一つの単語を暗記するのでなく前後の文脈を利用して暗記する。
同じ意味や、反対の意味などグループに分けて暗記する
英単語は語源から暗記する
ゴロあわせで覚える
絵や図表にして暗記する
ノートや紙にまとめて暗記する。
ページのレイアウト自体も画像として暗記する
ノートのどの部分に書いてあるかということも暗記を助ける要素です
イラストやマークを作って暗記する
●アウトプットする(覚えたものをすぐにアウトプットして暗記の定着を図る。)
声に出して暗記する
紙に書いて暗記する
絵や図表にして暗記する
人に教える
●やはり反復が大切
相互に関連させて覚えれば忘却曲線は緩やかになるといっても、いずれは忘れてしまします。
覚えるものによりますが反復は③のつく時間でやっていきましょう。
3分後
30分後
30時間後
3日後
30日後
300日後
復習のときは世界のナベアツ(渡辺鐘・桂三度)のようにアホになって復習してみるのもよいかもしれません。
人によりどの手法が一番良いかは言い切れません。
ここに掲載している暗記法も参考にして、
自分に最も適した暗記法を確立していきましょう!
追記
ゲームのキャラクターや魔法の名前なんかは英単語を覚えるのに役立ちますよ。
私が「icicle」という英単語を覚えたのはファイナルファンタージーというゲームの中でした。
つららの形をした敵キャラの名前が「アイシクル」。
ゲームを楽しみながら画像と名前を関連付けて覚える。これこそまさに忘却曲線を緩やかにさせる暗記法の一つでしょう。
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