今年はおよそ4万人?仮面浪人激増の理由
いったん大学に入ったものの、納得がいかずに翌年別の大学に再挑戦――。こうした「仮面浪人」とも呼ばれる再受験生が急増しているらしい。朝日新聞が報じた駿台予備学校の推計によると、6年前に約1万7千人だった再受験生が、今春の大学入試では約3万8千人にのぼったとみられる。
「大学では最近、中退者の増加が問題になっています」と言うのは、進路づくりプロデューサーの倉部史記氏。毎年およそ6万人、大学によっては入学者の3割が中退するという。その相当部分が、他の大学を再受験しているわけだ。
経済的にも精神的にも負担が大きい仮面浪人が、なぜ増えたのか。
「最大の原因は、入学後の教育と学生本人のミスマッチでしょう」と倉部氏。大学の広報はとにかく志願者増を目標にしがちで、個々の志願者が本当に自校にフィットするかまではサポートしきれていない。受験生や保護者も、偏差値ランキングや学部名、現役合格の確実性などの表面的要素だけで、急いで志望校を決めたがる。
「同じ名前の学部でも、内容や取れる資格は大学ごとに異なります。オープンキャンパスはもちろん、大学やNPOによる平日の授業見学会に参加したり、公表データの矛盾点を読むなどして、事前研究をしっかりやるほかありません」
https://president.jp/articles/-/9089
最近、仮面浪人が増えている。
純浪せずに仮面浪人の道を選ぶ人の理由は様々だが、よく耳にする理由は
- 親が浪人を許してくれない
- 早慶に合格したがやはり東大・京大を狙いたい
- 志望校に合格したが志望の学部ではなかった
- やはり医学部(医科大)に進学したい
- 親の意向で医学部を再受験したい
- 関関同立に合格したが京大・阪大などの国公立大学を再受験したい
- 地方の国公立大学に合格したが、旧帝大を目指したい
- 志望校に合格したがやりたいことが出来ない
- センター試験で失敗して第一志望校を受験できなかった
- 次の受験に失敗しても4年で卒業できる道を残したかった
- 既に2浪しているのでこれ以上浪人できない
- 偏差値や大学名だけで大学を選んでしまった
また大学入学後数年してから再受験を考える人もいる
- このまま卒業しても希望の会社に就職できない
- 専攻が自分のやりたいことではない
- 彼女を自分より偏差値の高い大学に通っている奴にとられた
- 親の意向で医者になる必要が生じた
- どうしても医者になりたくなった
実際仮面浪人して成功した人たちもたくさんいるが、仮面浪人にはデメリットも多い。⇒「純浪と仮面浪人のメリット・デメリット比較」
仮面浪人した著名人
- 小柴昌俊(物理学者) - 東京明治工業専門学校(現・明治大学理工学部)で仮面浪人して第一高等学校(東京大学)へ
- 新井将敬(政治家) - 東京大学理科一類で仮面浪人して東京大学文科一類へ
- 荒川英輔(医師) - 東京大学教育学部で仮面浪人して東北大学医学部へ
- 石黒一憲(法学者) - 京都大学で仮面浪人して東京大学へ
- 菅沼栄一郎(朝日新聞記者) - 慶應義塾大学で仮面浪人して東京大学へ
- 井上ひさし(作家) - 上智大学に在学しつつ弘前大学医学部と岩手医科大学を目指すも挫折
- 江上英樹(編集者) - 早稲田大学で仮面浪人して東京大学へ
- 佐藤忠志(予備校講師) - 立教大学で仮面浪人して慶應義塾大学へ
- 山口昌男(文化人類学者) - 青山学院大学で仮面浪人して東京大学へ
- 小熊英二(社会学者) - 名古屋大学理学部で仮面浪人して東京大学へ
- 若泉敬(政治学者) - 明治大学で仮面浪人して東京大学法学部へ
- 小島一志(ジャーナリスト・サバキ柔術青水流総裁) - 立教大学で仮面浪人して早稲田大学へ
- 小沢健二(歌手) - 早稲田大学で仮面浪人して東京大学へ
- 金子洋一(政治家) - 早稲田大学で仮面浪人して東京大学へ
- 佐藤東洋士(学者・学校法人桜美林学園の学園長であり理事長) - 慶應義塾大学経済学部を中退後、母の勤務先である桜美林大学文学部へ
- 菊池寛(作家) - 東京高等師範学校退学、明治大学退学、早稲田大学を経て第一高等学校へ
- 草野マサムネ(ミュージシャン) - 東京造形大学で仮面浪人して武蔵野美術大学へ
- 熊坂義裕(政治家) - 東北大学で仮面浪人して弘前大学医学部へ
- 中島静佳(アナウンサー) - 龍谷大学で仮面浪人して千葉大学へ
- 斉藤一也(アナウンサー) - 早稲田大学で仮面浪人して東京大学へ
- 佐々木蔵之介(俳優) - 東京農業大学で仮面浪人して神戸大学へ
- 佐藤良明(米文学者) - 東北大学で仮面浪人して東京大学へ
- タケカワユキヒデ(歌手) - 横浜国立大学で仮面浪人して東京外国語大学へ
- 田原総一朗(ジャーナリスト) - 早稲田大学第二文学部で仮面浪人して早稲田大学第一文学部へ
- 武村正義(政治家) - 名古屋大学で仮面浪人して東京大学へ
- 中竹竜二(元早稲田大学ラグビー蹴球部総監督) - 福岡大学商学部で仮面浪人して早稲田大学人間科学部へ
- 日比野克彦(美術作家) - 武蔵野美術大学で仮面浪人して東京芸術大学へ
- 福井一成(医師) - 東京大学文科二類で仮面浪人して東京大学理科三類へ
- 布施英利(芸術家)- 千葉大学教育学部で仮面浪人して、東京芸術大学美術学部へ
- 松岡洋右(外交官) - 明治法律学校(明治大学の前身)で仮面浪人して東京帝国大学を目指したが外交官試験に目標変更
- 三浦奈保子(アイドル)- 早稲田大学法学部で仮面浪人して東京大学文科三類
- 水野良樹(ミュージシャン、いきものがかり) - 明治大学政治経済学部で仮面浪人して一橋大学社会学部へ
- 山本コウタロー(歌手) - 上智大学で仮面浪人して一橋大学へ
(※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%AE%E9%9D%A2%E6%B5%AA%E4%BA%BA)
ノーベル賞を受賞した小柴昌俊さんや、ジャーナリストの田原総一郎さんも仮面浪人経験者だったのですね。なんともバイタリティ溢れる面々です。仮面浪人を成功させるにはかなりの気力と体力が必要なのでしょう。
大学受験合格大作戦でも純浪や仮面浪人についての相談や報告が寄せられます。当サイトでは
「状況が許すなら仮面浪人より純浪を選べ!!」とアドバイスしています。ただどうしても仮面浪人をせざるを得ない人もいます。純浪にしても仮面浪人にしても入試までの計画を立て、何をするべきかをしっかりと見据えて正しい努力をしましょう。そうすればきっと合格が見えてくるでしょう。